【J I L N A I L】
経験0から創業を支援。「自分のやりたいサロン」を明確にし、わずか2ヶ月で予約が取りづらい人気店に

岐阜県瑞穂市の住宅街にある小さな nail atelier J I L N A I L(ジルネイル)。完全予約制で、1対1でゆったりと過ごせる贅沢な時間と、上品で可愛いニュアンスネイルが多くの女性の心を捉え、あっという間に予約が取りづらい人気店となった。

多くの自宅サロンが集客に苦戦する中、開業して2ヶ月目には会社員時代の収入を超えるなど、サロンを順調に成長させられた影には、Gaki-Bizの存在があったとオーナーの若原さんは話します。
■明確なコンセプト設定で、他サロンとの差別化を図る
J I L N A I Lのオーナーネイリスト・若原さんがGaki-Bizを知ったのは、Gaki-Bizの相談者でもあるハートネイルが主催する「ホームサロン開業コース」を受講していた時のこと。
当時の若原さんは学習塾に講師として勤務していた。教える仕事に楽しさややりがいを感じていたものの、勤務時間は夕方から23時まで。朝が早い仕事をしている夫とは生活パターンが合わず、「せっかく結婚したのに1日数分しか話せないことに限界を感じて」、家でできる仕事を探していた。
「最初はネイルにこだわっていたわけではなくて、家でもできる仕事を色々と探していました。ヨガのインストラクターなども考えましたし、ネイルに出会ったのは偶然の要素が強いですね。自分にネイリストになるためのセンスがあるのかもわからなかったので、一度検定を受けてみてダメだったらやめようくらいの気持ちでした」
スクールに通ううちに、「天職だ」とネイルに夢中になった若原さんは、開業に向けて本腰を入れて動き始めた。ハートネイルのスクールで、ネイリストに必要な技術を学び、ネイリスト検定3級と2級を取得。さらにスクールで勧められたGaki-Bizへ相談に行くことにした。
最初にGaki-Bizを訪れたのは2020年の冬。新型コロナウイルス感染症が広がる直前のことだった。「スクールに通っている最中にコロナ禍になり、一時期は開業は難しいかなとも考えたのですが、働き方を見直すタイミングにもなり、逆に勢いがついてしまいました」
若原さんは塾を退職し、Gaki-Bizの正田嗣文センター長のサポートを受けながら、開業に向けた準備を進めていった。
最初に着手したのは、お店のコンセプトを決めるためのコンセプトシートの作成だ。正田さんが用意したコンセプトシートに若原さんが記入し、それに対して正田さんがアドバイスをする、ということを何度も繰り返しながら、お店のコンセプトを整理していった。
「私は本当に素人だったので、例えば『ターゲット層』のところに、『10代から70代の女性』と書いてしまって。『全女子をターゲットにしてしまおう』という浅はかな考えでしたね」
正田さんから「どんなテイストのネイルがしたいの?」と聞かれた若原さんは、実際のサンプルを見せながら、自分のやりたいネイルサロンのイメージを伝えた。「これは60代、70代はしないかもしれないですね」「ギャルファッションが好きな人には合わないかも」と2人でやりとりをしながら、「働く女性に向けた、大人可愛いネイル」という方向性を明確にしていった。 「ネイルはファッションと同じ。その方の個性が出るものなので、よりターゲットを絞っていった方が他のサロンとの差別化ができるということを、正田さんに気づかせてもらいました」
■値上げを決行し、サロンの価値を感じてくれるお客様を増やす
開業を考える人が頭を悩ませることの一つが価格設定だろう。値段が高いとお客様に来ていただけないのではないかという不安がある一方、とりわけ労働集約型の仕事で価格を安くしてしまうと、収入が低いもしくは労働時間が長くなるという弊害が出てきてしまう。
「値段の付け方も全く分からなかったので、正田さんから価格提示の『松竹梅の法則』や値上げの相談に乗っていただき、大変助かりました」
2020年4月の開業時は、ハンドメニューワンカラー4000円、アートし放題6000円のオープン記念価格を展開したが、コロナ禍でも順調に集客が進み、2ヶ月目には会社員時代の収入を超えた。
「値段を下げれば、予約は埋まるんです。ありがたいことなのですが、毎日毎日朝から夜までずっとネイルをしていると、心身ともに疲れてきてしまって……。
正田さんから、『集客も順調なので、若原さんの目指している、働く女性を癒すネイルサロンを実現するために、価格を上げた方が良いのではないか』とアドバイスをいただきました。値上げをするのは非常に勇気のいることでしたが、開業後の1年間で4回、こまめに値上げをさせていただきました」

現在の価格は7800円からと開業時の約2倍。一時的に価格重視のお客様は減ったが、丁寧なサービスを提供し続けることで、リピート率は90%を超え、「若原さんのデザインが好きだから」と片道1時間以上の遠方から来てくださるお客様もいるそう。現在は新規のお客様を受け入れないほどの人気を博している。昨年第一子を出産し、子育てにも奮闘中だが、それでも無理なく、順調に、サロンを成長させられているのは、Gaki-Bizのアドバイスのもとブランディングを進めてきたからだと若原さんは感謝する。「Gaki-Bizは困った時の駆け込み寺みたいな感じですね」。
■元塾講師という強みを活かし、スクール事業でも成功
サロンオープンから1年半後の2021年8月には、J I L N A I L schoolを開講。「若原さんは塾講師をされていたので、カリキュラム作りやわかりやすく丁寧な説明も売りにできるスクール事業もできそうですね」という正田さんの一言がきっかけだったと若原さんは笑いながら振り返る。

「ずっと私のことを見てきてくださっている正田さんができるとおっしゃるなら、できるかもしれないと思えてきたんです。お客様から仕事の悩みを相談されたり、ネイルを教えてほしいという声もあったので、自分の経験が誰かの役に立ったらと考え、スクールを開設しました」
J I L N A I L school受講生は、ネイリスト検定実技試験合格率は100%を達成。スクール受講からわずか半年でサロンを開業した受講生も出てきている。

「スクールを始めて、私はネイルも好きだけど、教える仕事も好きなんだとあらためて感じました。好きなことを仕事にして、プライベートも充実できていている今は本当に幸せですね。やりたいことがあるのに、不安が先行して一歩踏み出せずにいる人は、一度Gaki-Bizに相談してみるといいと思いますよ。私もネイルを通じて、開業した女性の夢をサポートできたらうれしいです」